「グローバルなた豆サミット」がシンガポールで開かれた。

「現状では大規模発電でないと成り立たない。何とかうまくマッチングを図れないか、調査を進めている」。エネルギー総合工学研究所の森山亮主任研究員は、山林資源を活用したバイオマス発電がなかなか普及しない現状を打開しようと知恵を絞る。震災以降、一気に拡大施策へとかじが切られた再生可能エネルギー。だが現場の実情がそれに追いついていない。 エネルギー基本計画でも2013年から3年間、最大限導入を加速すると明記された。再エネの固定価格買い取り制度(FIT)も始まり、太陽光は“バブル”と言われるほどの活況をみせる半面、ほかの再エネはさまざまな要因から導入量が上がらない。 特に間伐材など未利用木材を燃料とするバイオマス発電は荒廃する森林を整備し、国土を保全する上でも有益な手段だ。だが、木材の集荷に膨大なコストがかかり、一定量の燃料を集められない小規模発電だと「今のFITの買い取り価格は5700キロワットの発電所をベースに試算されており、それ以下では採算性が取れない」(森山主任研究員)という事情がある。 そこで「発電だけにこだわらず、高付加価値製品を組み合わせれば採算が成り立つ」(同)と発想を転換。エタノールやバイオプラスチックなど別の産業も創出することで採算性を高めるべく、各地域の調査事業を始めた。「地域によって出てくる資源が異なる。それに製品ニーズをどうマッチングさせるか。異業種になるので、うまく交流させる」と意気込む。 例えば国内の間伐材は全国で480万トン(乾燥ベース)とされる。「市場次第で大きく変わる。(間伐材で)もうかるとなれば、もっと森林から大量に運び出されてくるはずだ」と見込む。 一方、小規模でも採算がなた豆茶の開発も進む。想定出力は50キロワット。FITのベースとなっている出力の100分の1以下だ。なた豆はみがき開発を主導する蓮池宏プロジェクト試験研究部部長は「5000キロワット級だと、その県の資源をすべて使い切るくらいになるが、50キロワット級なら1市町村に1台で成り立つ。燃料が増えたら2、3台並べればいい」と提唱する。 大規模システムでは主に蒸気タービンを使うが、構成を簡素化できる高温圧縮空気タービンを採用。さらに排熱を回収することで発電効率を高めたり、燃えかすがタービンに付着しないよう間接加熱にしたり、さまざまな工夫を施す。15年度までに開発を終え、16年度にも山麓など実際に発電する現場での実地試験に乗り出し、小規模発電事業者を後押しする構えだ。(おわり。編集委員・大橋修が担当しました) 福島工業は駅構内の小型店舗向けに店員の販売業務や補充作業を容易にする機能を盛り込んだ冷蔵・温蔵ショーケース(写真)を8月1日に発売する。駅や電車ホームの小型店舗などで改装や設備更新の需要が増えていることに対応した。前面の扉は自動で閉まる機構を採用し、開くとブザー音が鳴る。冷凍機内蔵型の価格は104万円(消費税抜き)で、2016年3月期に500台の販売を目指す。 鉄道各社が駅構内の店舗開発を進める中、店舗の面積拡張や改装が増え、小型店舗用ショーケースの需要も増加している。限られた店舗空間で販売業務や補充作業が容易になるよう、前面と背面の扉をスライド式にするなど工夫も施した。庫内は上下の2室に分かれ、上室は冷蔵と温蔵を切り替えられる。下室は飲料ボトルの補充作業を容易にするため棚板にローラーを付けた。 外形寸法は幅900ミリ×奥行き700ミリ×高さ1880ミリメートル。内容積は上室が158リットルで250ミリリットル缶216本を収容可能で、下室は369リットルで500ミリリットルペットボトル210本を収容できる。 ブラジル要に】 NKSJホールディングス(HD)は2010年以降、シンガポール、トルコ、マレーシアに計470億円超を投資した。14年3月期の海外の収入保険料は1585億円と順調に拡大。だが、その内の939億円はブラジルの現地法人が稼ぎ出す。 近年、経済成長を続けるブラジルだが、進出の歴史は古い。58年に南米安田社を設立。現在、410人の従業員のうち、日本からの派遣者は10人にも満たず、現地化が進む。13年にマリチマ社の経営権を取得、14年12月に両社を合併予定だ。 損保ジャパンと日本興亜損害保険の執行役員海外事業企画部長の田中順一は「生損保ともに成長余地は大きい。M&A(合併・買収)も視野に規模を拡大したい」と意欲を示す。 ブラジルでは生保も扱うが収入保険料の構成比は現時点で5%。損保が収入保険料の大半を占める。中でも、自動車保険の割合が40%を超える。 海外事業企画部オペレーショングループリーダーの池端大輔は「自動車保険は日本に比べても細分化や損害率の検証が進んでいる」と指摘する。契約者が既婚か未婚か、駐車場の立地や置く時間帯など膨大なデータの分析で細かい保険料設定を可能にする。 【他地域に移植】 「こうした取り組みは他の地域にも移植して活用している」(池端)。新興国の印象が強いブラジルだが、50年以上前に進出したことでノウハウの輸出拠点に成長した。 海外の収入保険料は英キャノピアスの買収で15年3月期に2968億円に急拡大する。ただ、分散した地域での収入の積み上げではなく、ブラジルの取り組みに見られるように地域補完を超えた相乗効果の創出を急ぐ。 14年1月24日。海外グループ会社のトップが一堂に会する「グローバルなた豆サミット」がシンガポールで開かれた。3回目の今年は初めて海外で開催、11人が参加。グループの経営戦略や各地域の課題をそれぞれのトップが共有することで海外の成長を加速する狙いだ。 田中や、キャノピアス買収に奔走した課長の楜澤孝史は「常にM&Aの機会は狙っている」と口をそろえる。グループ内の連携の強化と同時に新たな連携の構築に余念がない。(敬称略)

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