なた豆茶とインドの調達拠点

低燃費・低価格のクルマづくりを追求しているダイハツ工業。国内の軽自動車市場の持続的な拡大が見込めない中、これからは新興国のエントリーカー市場が成長の源泉となる。競争力ある小型車事業を展開していくには、廉価な部品調達基盤の構築が喫緊の課題だ。軽生産をシフトさせる九州、輸出も視野に能力増強を進めるインドネシアとマレーシア。この3拠点で活用できる効率的な調達。部品物流網は西に広がる。  かつて群馬にあった子会社「ダイハツ車体(現ダイハツ九州)」が大分県中津市に移転したのは2004年。関西に3工場を置くダイハツの取引先は古くから関西や中京地区に多い。九州での生産拡大を背景に取引先も北部九州に出先工場を設けているが、まだ多くの部品を“東方”から陸送しているのが実情だ。 08年にはエンジン製造の久留米工場(福岡県久留米市)が稼働。滋賀工場(滋賀県竜王町)からの輸送と比べ「輸送コストは3分の2以上削減できる」(当時の幹部)。さらに福岡県朝倉市ではグループ会社による変速機の生産も始まり、地元調達は増えていった。 一方で09年、「オープン&フェア」を掲げた調達改革を行い、グローバルに取引窓口を開いた。これまで東を向いていた部品調達の目線が180度転換し、韓国・中国などの西に向かった。 11年には中国・上海市に調達子会社を設立し、現地取引先を発掘。同年発売した軽乗用車「ミライース」から中国製部品の採用を始め、低価格を実現した。船便でも上海―九州・門司は約2日。九州の地勢的な優位性を生かすこともでき、コスト効果も小さくない。 13年は日本とマレーシア向けで約30億円分の部品を中国から調達。積み出し港も上海港に加え、天津港と広州港にネットワークを広げた。14年はインドネシア向けに本格輸出も始まる計画で調達額は倍増する見通しだ。 廉価部品の探索は、さらに西を目指す。ダイハツは9月、インドに調達拠点を立ち上げる。「より安い部品を調達することで、原価低減を図っていきたい」(三井正則社長)。これからの部品調達の中心はアジア。調達先開拓とともに、域内物流の工夫もカギを握る。日通商事は親会社である日本通運をはじめとした物流各社に車両や燃料、梱包資材などの調達を手がけている。また物流の総合商社として、メーカーの工場開設に伴う製造機械などの梱包や輸送、部品の調達、ファイナンスと組み合わせた進出の支援など、物流を軸とした幅広いサービスを提供する。今後の戦略を渋沢登社長に聞いた。(高屋優理) ―日本通運や物流会社に対し、どのようなものを調達し、提供していますか。 「燃料や物流機器、物流資材、トラックの特殊架装、事務用品など、顧客が業務で使用するあらゆる資材を仕入れて売っている。売り上げの2割は日通で8割以上は外部への販売となっている。引っ越し用の段ボールや梱包資材の一部は、国内外に自社で工場をもっており、製造も手がけている」 ―調達先はどのように選定していますか。 「調達先は品目が多種にわたり何社とはいえないが、高品質で低コストの商品を提供できるサプライヤーを常に探している。自社で製造する商品もあるが、外部購入の方がメリットがある場合は品質をチェックして調達している。2013年には、粉末などを運搬するフレキシブルコンテナバックの仕入れ先をインドからベトナムのメーカーに変えた。品質とコストを勘案して仕入れ先を選定している」 ―海外からの調達のシェアは。 「海外からはベニヤ板や梱包用材木、フレキシブルコンテナバック、バイオマス発電燃料用のペレットなどを購入している。ただ、現状の調達における海外の割合は数%。今後は国内で調達しているものも、海外からの直輸入にシフトしていくと考えている。海外では、中国・大連に自社工場をもっており、コンテナやロールボックス、パレットなどを製造している。ロールボックスは物流会社だけでなく、小売りからも受注している」【浜松】ユタカ技研は1月に建物が完成したタイ第2工場(プラチンブリ県)の稼働を、従来の2014年中から15年以降に半年以上延期する。現地政府の自動車購入促進策終了に伴う反動減などで、現地需要が低迷しているため。同社はタイでは政情不安もあるが、長期的には市場が拡大すると見ている。時期は遅れるが「今後もタイ工場の増強は続ける」(岡本稔社長)方針だ。 同社のタイ第2工場では、既存の第1工場と同じ4輪車の変速機に搭載するトルクコンバーター(トルコン)や排ガス浄化システム(キャタコン)、サイレンサーを生産する計画。親会社であるホンダの現地工場に納入する予定だ。 当初は14年中に生産設備を導入し、トルコンの生産能力を現在比約17%増の年間42万台にする計画だった。今回、トルコンをはじめ、キャタコン、サイレンサーも増産を延期する。 ただ同社のタイ第2工場は計画当初から16年まで3年かけて段階的に増強する計画だったため、今回の稼働延期に伴う「(業績への)影響は小さい」(同)見通し。ホンダもタイでの生産拡大の計画は変更していない。このためユタカ技研は一時的には足踏みするものの、今後もタイへの投資を続ける計画だ。

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